どれを選ぶ?
先日米国VBS主催のウェビナー、「網膜剥離ディベート」に参加してきました。
こちらの企画はアメリカ各施設のサージカルフェロー達が二つのチームに分かれ、用意された網膜剥離の症例発表に対して、コメントをしていくというものです。より上手く論評できたチームに参加者が投票し、勝敗を決めるという非常に興味深いウェビナーでした。
なかでも勉強になった症例は、Pneumatic retinopexyの症例です。上方の複数裂孔による網膜剥離に対してPneumatic retinopexyの後、復位が得られず、再手術としてVitrectomy+Bucklingを行って復位が得られたという症例でした。
ディベートでは、PIVOT trialにおいて、pneumaticの方がvitrectomyより視力予後が優れていた結果を受けて、やはり第一選択はpneumaticであるとする先生もいれば、そもそもPIVOTの基準である1時間以内の範囲を超えた複数裂孔には適さないし、復位率の観点からも始めからVitrectomy+Bucklingにするべきだったという考えの先生もおり、様々でした。再手術についても白内障進行を防ぐために、Vitrectomyは行わずバックルのみを選択する先生もいるなど、あらゆる角度からコメントをされていて非常に勉強になりました。
学会ではベテランのサージャン同士でディベートをするのが通常なので、このようなウェビナーに参加すると「フェローで既にこのレベルの知識があるのか!」と毎回ながら驚かされます。網膜剥離治療のアプローチは様々で、本当に奥が深いです。
最後に司会のCarl Awh先生が仰いました。「治療に関して答えは一つじゃない。色々な方法を試し、自分にとって最も自信のあるアプローチで行うことが大事」
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