眼内レンズ固定法の世界的動向
無水晶体眼に対して、IOLを強膜や虹彩に直接固定するか、それとも縫合糸などを使って固定するか、という問題は、世界的にもまだ明確な指針は無く、本年参加したASRS, ESCRSにおいても、両者の利点と欠点について、沢山の議論が交わされていました。
強膜内固定は術後tiltなどが少ないものの、技術的に難しく、使用できるIOLが限られるのに対して、糸を使用すれば多種類のIOLが選択できる一方で、強度に関する懸念などもあり、現時点では決着がついていませんが、印象としては強膜内固定が主流になってきているように感じました。固定に使われるレンズについても、強膜内固定専用IOLなども登場してきています。
ただ共通しているのは、何れの方法も、テクニックに関して熟練を要し、特に今後需要が高まってくるであろう、QOVを意識した強膜内固定術の精度まで到達するには、かなりの経験値が必要だということです。
それを実現するためには、今後我々術者にとっても、より系統だった手術教育システムが必要であると考えられます。
先日、日本網膜硝子体学会の企画において、Vitnetメンバーを含めた、海外臨床留学経験のある医師が集まり、米国の教育システムと比較しながら今後の手術教育を考える、座談会が行われました。
こちらは、網膜硝子体学会が発行している会報のJRVS TIMESにおいて紹介されていますので(網膜硝子体学会会員のみ閲覧可能)興味のある先生方は是非ご視聴ください。
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