アメリカの学会事情2022
今月ニューヨークで行われたASRS Meetingに参加して参りました。
これからアメリカの学会に参加される先生方の少しでも参考になるように、2022年7月現在の状況をシェアしたいと思います。(方針はすぐ変わる可能性があるので、確実な詳細については厚労省のホームページをご確認ください)
アメリカへ向けて日本を出国することに関しては、以前と比べて大分条件が緩和され、行きやすくなりました。
事前のPCR検査は必須ではなく、ワクチンはファイザーかモデルナを2回以上接種されていれば、証明書を見せることで渡航可能です。
ただ帰国するにあたっては、アメリカ現地でPCRテストを受けて陰性証明書を貰う必要があり、こちらがハードルとなっています。
もし陽性になってしまうと、しばらく帰国できません。またPCRを受けて証明書を発行してもらうのにも2万円近くかかることが多く、まだ行きやすいとはいえない状況です。
さて実際学会に参加してみて、気になったサージカル関連のトピックをシェアします。
最近メディカルレチナでも、Multimodal imagingの有用性が取り上げられていますが、サージカルでもimagingの観点から、術後視機能を評価したり(剥離網膜復位後の位置ずれなど)、黄斑円孔治療のフラップ法、ハイドレーション法、羊膜や自家網膜移植など術式毎の比較、アメリカでよく見られるエンサークリングバンドによるバックリングとsegmentalバックリング手術の比較など、これまで確立された術式において、より良いQOVを目指すスタディが増えてきているように感じます。
逆にいえば、真新しい治療法の発表はあまりなく、敢えて挙げるなら上脈絡膜アプローチのGene therapyなどでしょうか。
抗VEGF薬のPDS(ポートデリバリーシステム)の発表が少なかったのも意外でした。
バーチャルではなかなか聞くことのできない、アメリカ臨床現場での実際を、現地の先生方と実際に話すことでアップデートできたので、また今後インストラクションコースなどでもシェアしていきたいと思います。
今年10月に東京で行われる臨床眼科学会で、
5年目となるインストラクションコース「硝子体手術クエスチョンバンク」を行うことが決定したので、
皆さん是非ご期待ください!
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