最後のフランクフルト

いよいよコロナも5類へ移行して、海外渡航者が増えてきましたね。

先日ドイツで行われたFrankfurt Retina Meetingに、Vitnetサージャンチーム数名で参加して参りました。こちらは先日レポートさせていただいたFloretina meetingと同様に、ライブサージャリーなども見ることができる、盛りだくさんな内容の学会です。参加者代表として、Vitnetサージャンチームの向後二郎先生がレポートを書いてくださったので、シェアさせていただきます。



以下、向後二郎先生(秋田大学)より

今回4/14-16にドイツのマインツで行われたFrankfurt Retina Meeting 2023に参加してきました。2年毎に行われてきた学会ですが2019年はコロナパンデミックの影響で中止されてしまいました。それから3年越しでやっと開催されることになりました。

この会はClaus Eckard先生が約40年前にオランダの医療機器メーカーのDORCの創業者とともに始めた会です。Eckard先生はこれまでにXenon眼内照明や23G硝子体システムをはじめとして、シャンデリア、硝子体鑷子、硝子体剪刀などをDORCと共に開発し相互に成長・発展を遂げていったという経緯があります。実は今回はEckard先生から発表もありましたが、最後の会ということで学会初日のReception Partyには二人三脚でやってきたDORCの創業者(現在は会社をbuy outしてる)もゲストとして参加され過去の歴史の動画やスライドなどを披露して、これまでに誰もしてこなかったことを信念と情熱で成し遂げてきたEckard先生の歴史を垣間見た感じで非常に素晴らしかったです。

肝心の学会はと言いますと丸2日間かけてPaper sessionが各Category毎に行われます。Facultyの先生たちは1日何回も登壇していました。2017年の会では米田先生がFacultyに入ってLive surgeryと講演をいくつもこなしていたことが懐かしいです。

特に今回の内容で面白かったのは、

スペインのFigueroa先生が発表された血清から得られたPlasma rich in growth factor(PRGF)を黄斑円孔や分層円孔の網膜上に塗布し空気置換することで非常に綺麗な網膜形態を得られるというものでした。PRGF自体は整形外科領域や皮膚科領域では臨床応用されているものですが後眼部疾患に対する使用はありませんでした。患者から少量の採血を行い血小板や成長因子などを含む分画を分離・生成することで高濃度なものが得られます。今後我々も国内でもできないか現在検討中です。

学会終了後はオランダにあるDORC社に見学とミーティングをしてきて3泊5日の弾丸出張を締めくくりました。(往復の飛行機内で食べた一風堂のラーメンが一番美味しかったです)

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