小児網膜へのアプローチ
2022年、新年明けましておめでとうございます。
本年もVitnetをよろしくお願いいたします。
新年一発目、ASRS主宰の硝子体手術症例検討会へ参加して参りました。
今回のテーマは小児の硝子体手術症例。
FEVRともROPとも鑑別し難い症例、外傷性黄斑円孔、PFVの術後増殖症例の3症例の提示がありました。
アメリカの著名なサージャンたちがフェローを交えて行うディスカッションは、非常に教育的で勉強になります。
今回特に勉強になった点をこちらでシェアさせていただきたいと思います。
外傷性黄斑円孔は自然閉鎖することもあり、文献によっては3ヶ月待つものから、半年待つものなどまちまちで、手術適応の決定が難しいですが、
小児については、年齢によっては弱視のリスクもあるため、最近のトレンドとして早め(3ヶ月程度)に手術を行うことが多いようです。
また外傷の程度によって、閉鎖が得られても視力の改善が難しい症例があり、その術前評価方法の一つとして、黄斑部の自発蛍光をチェックすることが有用であるという意見がありました。
またPFVの症例は、水晶体裏の増殖によって眼内が観察できない状態であり、強膜創作成時に網膜へヒットするリスクも想定されたため、そのような場合はやはり輪部アプローチが安全であることや、術中fibrovascular stalkからの出血に備えて、ジアテルミーは必ず用意しておくことなど、実践的なtipsが多数紹介されていました。
日常遭遇することの少ない小児硝子体手術症例ですが、いざと言うときのために、知識を身につけておきたいものです。
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