網膜注射!?

先日東京にてFUJI RETINAという、日本発の網膜硝子体国際学会が開催されました。(日本網膜硝子体学会JRVS主催)
アジア、アメリカ、ヨーロッパから沢山の著名な先生方が参加され、ウェブ参加を含めると参加者は2000名近くに上ったとのことで、大盛況の会でした。

メディカル、サージカル含め世界中から沢山の講演、研究発表があり、我々Vitnetメンバーも会場で積極的に発表させていただきましたが、中でも非常に興味深いトピックがありましたので、こちらでシェアさせていただきます。

目への注射というと、結膜注射、テノン嚢下注射、硝子体注射、近年欧米では上脈絡膜注射なども行われていますが、網膜への注射については、まだあまり聞いたことがありません。

硝子体手術の際に、同時に網膜下へ薬剤を注射する手技はこれまでもありましたが、今回は硝子体手術はおこなわず、網膜へ直接注射をするデバイスの紹介が、アメリカのMahmoud先生によって行われました。

黄斑下出血に対してtPAを直接網膜下へ注入し、ガスを入れて終了する、非常にシンプルな手技で、合併症も少なく、術後成績も良かったそうです。
眼内への視認性確保のために、シャンデリア照明は使用するものの、硝子体は除去しないという新しい治療法でした。

将来、従来の硝子体注射等に加えて、網膜注射も標準治療になりうるのでしょうか??

勿論硝子体を除去しないことによるリスクなども懸念されますが、今後の研究結果に期待したいです。




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