Vitnet 海外留学サポートプロジェクト 新潟大学 安藤拓海 先生 体験記①

Vitnet海外留学サポート制度を利用して、

新潟大学眼科の安藤拓海先生が

Duke AVS courseへ参加、現地でのオーラル発表をおこなってくださいました。

臨床留学や海外学会発表に興味がある先生方にとって、非常に有益な体験記を書いてくださったため、全2回に渡って、紹介させていただきたいと思います。

以下抜粋になりますが、写真付き全文に興味のある方は当ウェブサイトのContactよりご連絡をいただけますと幸いです。


新潟大学眼科の安藤拓海と申します。

今回、Vitnet代表の佐藤尚人先生とご縁があり、プログラムを利用して

9th fAVSと22nd AVSに参加して参りました。

佐藤先生は以前Duke大学の網膜外科チームへ留学されており、私も以前から海外留学に興味がありました。そのため今回はもう一つのミッションとして、佐藤先生のお力をお借りしてDuke 大学網膜グループのチーフDrとお話する機会をいただくことを目的に参加いたしました。

そもそもAVSとは、Advanced Vitreous Surgery Courseの略で、硝子体手術発祥の地であるDuke大学主催の網膜硝子体疾患に関する学会です。Surgeryとありますが、Medical retinaから遺伝性網膜疾患、小児のsurgical caseまで網膜硝子体疾患に関して幅広くセッションがあります。 fAVSは1年毎に開催され、fellow向けの勉強会とwet & dry labが企画されております。一方AVSは2年に1回開催され、今年が22回目と歴史がある学会です。

今回は、fAVSは1日間、AVSは2日間の計3日間となりました。今回は人生初めての単独海外+海外発表というプレッシャーで旅立ちました。

今回参加した日本人は私と佐藤先生の二人であり、ほとんどはアメリカやカナダのDrでした。他アルゼンチン、エジプト、イタリア、タイ、トルコ、メキシコなど多くの国籍のDrがいましたが、ほとんどの方はアメリカでfellowとして採用されており、全員英語がペラペラでした。

佐藤先生は以前AVSに参加された経験から、surgical videoは教育的で重症例であるほど採用されやすいとのアドバイスをくださいました。それを受けて今回、深部強膜破裂創を伴う眼球破裂で手術中に眼球内容物が脱出してきた症例を選びました。また発表前には佐藤先生にビデオの構成や編集方法、英語表現の細かい点に至るまでご指導いただき、見た目のインパクトもあったのか、本当に運良く採択され発表の機会を得ました。もし発表に興味がある方がいれば、fellow surgical videoとして5枠ありますので、ぜひ演題を提出してみては如何でしょうか。発表自体はオーディエンスの反応もよく、それなりに印象付けられたかなと思いました。質疑応答も事前に佐藤先生が予想し、予行演習してくださった内容がほぼ的中し、なんとか乗り切れたと思っております。。。。


学会を通して印象に残ったことは、まずAMDや遺伝子治療の臨床試験の多さ、またインプラント治療やsuprachoroidal injection、免疫抑制薬硝子体内注射などの治療オプションの多さです。特に今回臨床に生かさなければいけないと思ったのは、Pneumatic Retinopexy (PnR)です。私はPnRの経験が全くなく、RRD初回治療は即PPVを選択しておりました。しかし今回Rajeev H. Muni先生というPnRを多く行なっている先生の発表で、PnRの方がPPVより視力が良好、歪視・不等像視・網膜移動も少ない、術後白内障になりづらい、というデータを出されており、患者さんの視機能や負担も考慮すると治療の選択肢として熟練しておく必要があるのではないかと思いました。

次回へ続きます





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