SB?PPV?それともガス注入?
コロナウィルスの影響で世界中の学会がキャンセルになってしまいましたが、その分オンライン会議ツールを使って参加できるものも増えてきたため、ある意味、今後は海外学会参加の敷居が低くなってくるかもしれません。
さて先日Bascom Palmer Eye Institute出身の医師を中心としたグループのZoomミーティングに参加しましたが、興味深いトピックがあったのでシェアします。
現在アメリカでは多くの施設で、手術を受ける患者は術前PCR検査が必須となっています。判定結果が出るまでの時間や、手術をサポートするスタッフの問題、陽性であれば普段使い慣れていない特別な手術室で手術をしなければいけない場合もあるなど、問題が山積みです。
そんな中、網膜剥離に対してはPneumatic retinopexyであれば外来でも行うことができるため、有用ではないかという発表がありました。
さらにその発表によると、術後視力がPPVと比較して良好であったとのことで、その理由として、PPVは強制的に排液を行うことで、剥離前の網膜の位置から多少ずれた位置に復位がみられたのに対して、PneumaticではRPEのポンプ作用による復位のため、ズレがみられなかったことを可能性として挙げていました。以前類似の発表をSBでも聞いたことがあります。
ただ復位率という観点からは疑問も残ります。適応が限られるのは勿論ですが、例え上方に原因裂孔があっても、ガス注入後に下方に新たに裂孔が形成されたり、一旦復位しても、数ヶ月後にPVRになってしまったケースも報告されています。
非常事態においては、手術適応に関してもこれまでと違った観点で考える必要が出てくるでしょう。その上で自分の経験と照らし合わせて、ベストな選択をしていきたいです。
0コメント